【受注販売】2024.9.3tue-
ゆかしやが手掛ける和菓子の器
「瑞音」と「樹々」
菓銘や意匠にまつわる物語を知り、和菓子に似合うオリジナルの器をつくりました。
福岡県宇美市にある和菓子屋の「季のせ」さん。 宇美八幡宮にちなんで作られた「80000大福」は「無限大にいいことが続きますように」と願いが込められた唯一の通年生菓子。 8の字を描く大福の意匠が美しく見えるように、工房のある境内の景色をイメージした器を提案しました。 ひとつひとつロクロで仕上げる表情豊かなこの器は、職人の技術や感性が垣間見え、自然の生き生きとしたエネルギーを感じさせます。
「80000大福」に似合う器
@tokinose さん
うつわ製作ストーリー
季のせさんに宇美八幡宮内をご案内いただき和菓子に込められた想いや背景を教わる。
宮内の樹齢 2000 年以上の大樟や、 神功皇后の出産にちなんで、 安産の願いを込めて奉納された 「子安の石」 を見学しました。
宇美八幡宮ならではの神聖な雰囲気が漂う、 その地を感じるところからアイデアに繋げていきます。
宇美八幡宮内を巡り、教わったこと、感じたことを思いながらデザインを考えていきます。
まずは手を動かしつつ、写真をまとめたり悩み過ぎて現実化が難しいアイディアを削る作業も。
倉庫やショールームを眺めていると数ある器の中から、「ここの窯元さんが良いかも」と器づくりのヒントがあって、イメージをまとめながら窯元さんと打合せへ。
窯元さんのセンスが光るサンプル作りは毎回予想を超えて感動の連続です。
形状が決まり製作へ、まずは土練り作業から。
土を練って均等な滑らかさにしつつ、土の内部の空気を抜いていく。この作業は生地の強度を上げロクロを回す時に芯出しがしやすくなるなど、とても重要な基礎作業です。
次にロクロ作業に移りしっかりと台に固定し、生地を伸ばしたり潰したりしながら、器の形を成形していきます。厚みを薄くしたりリムを伸ばしていく繊細な作業は、熟練の職人技を感じ、いつまでも見ていたくなるような作業です。土練りからロクロ挽き、釉掛けまで集中されてる颯爽とした姿はついつい見入ってしまいます。 ひとつひとつ少し形の違う器たちは、個性的で同じものが一つとしてない、趣あふれる表情が魅力的です。
宇美八幡宮にちなみ、8の字を描く大福の意匠が美しく見えるように、工房のある境内の景色をイメージした2色2パターンにしました。
器を見てもらった瞬間から「宇美八幡宮ですね」と。説明の言葉も不要で何よりも沁みる嬉しい言葉をいただきました。
菓子に込められた思いを器を通して一緒に表現が出来る事が「ゆかしや」として何よりの喜びです。